畑フォト

農業女子がもらった畑からの贈り物~冬の果樹畑~

季節により様々な景色を見せてくれる自然。畑にいると日々違った表情を感じられます。畑にカメラを持っていける機会は少ないですが、畑の様子も知ってもらいたいなと思いますので、少しずつご紹介していきますね!

 

季節は冬

我が家はりんごと桃の果樹農家。ハウス栽培ではないので季節や天気そのままに自然とともに仕事も進んでいきます。冬は閑散期。とはいえ農作業がないわけではなく、枝の剪定(伸びてきた枝の長さやバランスを整える作業)をして葉をつける春に向けて準備をしておく時期。「冬があるから春が来る」と言うように、まさに今の時期は地味な作業ばかりでも、収穫時期の実りがより質の良いものにするための下準備期間と言えます。

畑の風景

 

 

自然からの贈り物

畑にふらっと立ち寄ってカメラのレンズ越しに自然を見ると全く違う世界に気づくことが多々あります。この時は畑の隅に捨ててあったりんごが目に入りました。農家目線からだと「破棄してしまう果物や野菜を救いたい」となるわけですが、レンズを通てしてみたときに見えたのは「自然」のそのままのかたち。あの「かわいそう」だと思っていたりんごにもちゃんと役割があり、そのまま時間がたてば分解されて肥料となります。

 

畑フォト

 

さらに冬の時期には減ってしまうえさの代わりになり、鳥たちのいのちの源になっていました。「農家」としては収穫したものが使えないことは無駄になってしまっていると考えますが、自然の中では全て無駄なものはなく、捨てられているように見えるりんごも次にまた美味しいりんごを実らすための役割。そんな自然の力に改めて気づくことができ、農家はつくづく自然から分けてもらっている仕事なのだと感じました。

畑の風景

畑は色々なことを教えてくれます。「ものづくり」をする立場としては、「破棄する作物を救う」取り組みは引き続きやっていかなければと考えます。でも自然全体の中の考えとしては「無駄なものは一つもない」。

見方や考え方の角度を変えることの大切さ。日々、仕事や子育て等色々な場面で立ち止まったり悩んだりする中で、どんなことにも当てはまる事ではないでしょうか。迷ったり悩んだりした時にはぜひこの畑の話も思いだしてみてくださいね。

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景井 愛実
【NoujyoLab.農業女子研究所】代表 農業女子のワークライフインテグレーションを叶えるプラットフォーム運営。農ブランド「 Berry's garden」代表。桃生産。農家に嫁ぎ14年。東日本大震災をきっかけに農業に本格的に向き合う。2017に独立。果物の加工品ブランドを立ち上げ。地域飲食事業ブランドと農産物活用サポートを行う。